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世界を革命する力を

ニコニコ動画夏の一挙放送で少女革命ウテナが放送されるということで、
これは見ねばと思いタイムシフト予約して一昨日あたりから数日かけて見ました。

なんというか、凄く良かったです。
主人公自体はウテナでしたが、話としてはアンシーの成長(覚醒)物語でした。
色々書こうと思ったけど全然言葉が出てこないので、やめ。

じゅりるかしおりの三角関係トリオのエピソードはとても心にきました。
そこだけで別のドラマ作れそうでした。
あと、割りとリアルな人間社会っぽさとかが描かれてるこの作品でも、
彼らのアレコレは特にリアルだと感じました。るか君はフィクションの主人公よりでしたけど、大分。

永遠を求めてた皆がウテナと関わったり決闘したりを経て少しづつ変化していくのが印象的でした。
そんな中で暁生だけは最後まで変わらなかったですね。永遠とは君自身だったか(違)
そんな暁生に三行半を突きつけて(?)ウテナを探す旅へと出るアンシー。
「待っててねウテナ」という台詞も、回想からのタイトル表示も最高でした。
アンシーのことは途中まで全く好きになれなかったんですが、
後半の流れからラストシーンで一番好きになったと言っても過言ではありません。

王子様はお姫様を救ってくれるけど、皆それを忘れてしまって覚えていない。
人を救うなんて楽じゃないのに、これじゃ王子様みたいに頑張れる人はそうそういません。
王子様みたいに頑張れないから忘れて無かったことにしてるのかもしれないけど。
ウテナは王子様に助けられた一人で、自身も王子様みたいに救いたいと考える。
結局彼女は王子様になれなかったけど、そもそも彼女がなりたかったのは
救われるだけのお姫様が必要な王子様ではなかったんじゃないかって話。
そして王子様ディオスを堕落させた魔女であり薔薇の花嫁であり暁生と相思相愛(?)の
アンシーを開放し、まさに少女革命を成し遂げた……ようです。
ここに有史以来延々と続いた王子と姫と魔女というシステムは瓦解し、
一人の女性であるアンシーが、今度は私の番とでも言わんばかりに外の世界へと飛び出すわけです。
人は誰しも自分だけの世界を持っている的な有名な一文を参照にするならば、
アンシーを開放し関わった生徒会の面々が一歩踏み出すきっかけとなった彼女は、
まさに世界を革命したのかもしれない。その革命が連鎖して世界の果てに届く時が来るのかは知らない。

古く古いお伽話ならそもそも王子様は挫折せず女性は王子にならず、80年代の少女漫画なら姫騎士は最終的に男とくっついたでしょう。
今作ではそうはならず、ウテナは学園からいなくなりタダの人となって記憶から風化していきますし、
アンシーも守られるだけのお姫様ではなく能動的にウテナを探しに行きます。
そのシーンでウテナと呼び捨てにする通り、対等な存在(友達)として……ということでしょう、きっとおそらく。
考察でウテナ=アンシーとか言ってる人や話の演出上、ウテナとアンシーが再会できないのではと凄く不安なんですが、
特典絵(カードダス?)で再会した版権絵があるらしいので、気休めサービスでないのなら再会できるんでしょう。良かった。漫画版? 知らん。
最近のアニメは戦うお姫様というのか、役割として姫だけど同時に王子様的役割の補完もするみたいなの多い気がする、そういえば。
最近ってか00年代前半から中盤か。
そういえばこの作品では王子様とお姫様になり得ない関係として兄弟姉妹や幼馴染が割りとピックアップされてましたね。
昨今のアニメ・マンガ等でも幼馴染が王子様と結ばれないことが多くて幼馴染スキーの私としては悲しいです。
確かに長年付き合いがある関係ってのは王子様ーお姫様とはまた違う関係でしょうけど。
そしてそういう存在が突然降って湧いた特別な存在との対比として便利なのも分かる。
でももっと幼馴染を優遇してほしい……というのはウテナと全く関係ない話なんですが。

さて、今までの王子様お姫様像を破りにきた今作ですが、何も「そんなもんフィクションなんだ目覚ませ」と
世のロマンチストに往復ビンタを食らわせようとした作品ではないでしょう。
ところどころリアルさや現実を意識した作りになっていたり人間味に溢れていたりする一方で、
ウテナの純粋さや他人のために頑張りきる心、るかの少女漫画の最終回で死んでいくライバルっぷり、
それらを挙げなくても諸々のファンタジー要素など、あくまでフィクションとしてこの物語はできてます。
こういう見方考え方もあるんだぞという提示やつまりこういうことだよねという一つの解でしかないと思います。
そういう所で、もっとコメディよりなんですが、最近のアニメでファンタジスタドールを連想しました。
この作品はタキシード仮面みたいなのが監視カメラとパソコンで主人公達の戦いをウォッチングしていたり、
近所の人に格好を突っ込まれたり逆にドラマの撮影ですと言い訳したり、
使役される側のドールが横暴だったり横暴なマスターに三行半つきつけたり……と、
セーラームーンやスーパードール★リカちゃんや、まあそこら辺の女児向けアニメの演出に対しパロディめいたシーンを多々挿入してくるんです。
けれどもそれは、「こういうのおかしいだろ? 変だろ? な? な?」と問題提起してるわけではなく、
あくまで舞台裏はこうなってるんじゃないか、魔法少女ものって現実だったらこうなってるよな、という
ある程度の年齢になると誰もが抱く想いを映像化することで笑いを取ってるわけです。
ウテナも笑いを取りには言ってませんが、同じように「こんな見方考え方もあるよ」という所に落ち着くんじゃないかと感じました。
あとファンタジスタドールは笑いだけの作品じゃなくてしっかりストーリーもあるので是非観てください。
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